肥満を改善すると、将来の様々な病気を予防することにもなり、非常に経済的です。
朝何を食べて、どんな過ごし方をしたのかが昼の血糖値に現れます。
ただ血糖値の測定結果だけに一喜一憂していては測定する意味がありません。
例えば昼の血糖値が高い時は、原因は何か?を午前中の食事と活動内容を振り返って反省する必要があります。
これを続けていくと、自分の体調・バイオリズムに合った食事メニューが見えてくると思います。
それを一人でなく、家族と楽しみながら続けていくことが必要です。
その毎日の積み重ねが病院検査のHbA1cの数値(2か月の平均値)で分かります。
HbA1cが上昇しているのならば家庭での血糖値コントロールは出来ていないことになります。
HbA1cは6.5を超えて放置すると体への負荷が大きく、合併症などのリスクも高くなるので危険です。
家庭で血糖値コントロールが出来ない場合は、入院して血糖値コントロールする必要が出てきます。
そうならないように、家族が一緒になって考えてサポートしていきましょう。
栄養素の中で、「炭水化物」が体内でブドウ糖になりますので、炭水化物の量を従来よりも減らしていくと血糖値も徐々に下がってきます。小食を継続していけば体重も減らしながらHbA1cも徐々に下がってきます。また、インスリンが血中のブドウ糖を細胞に取り入れる際には、インスリンが細胞の受容体に結合する必要があります。この時に働くGTF(グルコーストレランスフアクター)を作る材料は三価クロムです。三価クロムは未精製穀物、豆類、野菜、レバーなどに微量に含まれます。
小食にする際は、インスリンの生産や代謝に必要なミネラル、ビタミン、ファイトケミカルなどの微量栄養素が豊富な玄米植物食が適しています。また、玄米をお粥にすると更に効果は早いです。
GI値(吸収し易さをブドウ糖を100としてどれくらいかを数値で示したもの)が小さい(吸収がゆっくり)食物を摂取しましょう。
【GI値の比較表】
・ブドウ糖100
・食パン95
・精白米88
・うどん85
・ジャガイモ95
・とうもろこし75
・かぼちゃ75
・玄米55
・パスタ(全粒粉)50
・牛肉49
・豚肉48
・おかゆ(玄米)47
・オレンジジュース46
・ソーセージ46
・鶏肉45
・牡蠣45
・ゴボウ45
・豆腐43
・アジ40
・マグロ40
・トマト40
・りんご38
・納豆33
・グレープフルーツ31
・玉葱30
・イチゴ29
・えのき29
・エリンギ28
・大根26
・キャベツ26
・なす25
・もやし22
・ひじき19
・昆布17
・ほうれん草15
肥満対策として重要なのがまずは食べ過ぎないこと、次に運動です。
運動すると細胞内にグルコーストランスポーター4(糖担体)が増えて、血液中のブドウ糖を細胞内に取り入れるのを増やしますから糖尿の改善になります。
筋肉はカロリーを消費する主力ですので、運動で筋肉を付けることが重要です。
肥満は摂取カロリーから消費カロリーを引いた残りは脂肪になりますので、筋肉を使って消費を増やせば痩せます。
しかし、食べ過ぎたカロリーを運動で消費するには大変な運動量が必要です。
例えばショートケーキ1個を食べるとそれを消費するためには、90分の散歩と腕立て背筋各150回の運動量が必要になります。小食を継続して、30分程度の散歩(近所に買物に行く程度)を習慣化しましょう。